「秋の雨」が降り注ぐ中、約2か月ぶりの家族交流会。大勢の方がご参加下さりました。今回のテーマは、「体験発表を聴く」。
私・♪らるご♪スタッフ山口の、不登校の体験を皆さまに聴いて頂くという機会となりました。
♪らるご♪が発足して、3年以上が経過しました。皆さんとお会いする中で、ポツポツと私自身の思いや考え、経験などを断片的にお伝えしてはきたと思うのですが、しっかりとお時間をいただいて、1から現在に至るまでのお話をする機会は初めてだったので、とても緊張しておりました。
「『今さら…』って思われちゃうかな」。
「結局、何のお役にも立てない時間となってしまったら、どうしよう…」。
…♪らるご♪会員の皆さまがお優しく熱心で、穏やかで明るい方々である事は充分理解しているつもりなのに、ついつい心配してしまっていたのですが、いつもと変わらず温かな目線で見守って頂きながら、嬉しい気持ちでお話をする事ができました。
これまでも、色々な場所で「不登校の体験談」を語ってきました。
やっぱり、なかなか勇気とエネルギーが要る事で、今になって振り返ってみると、会場の雰囲気や体調、心の調子等によって、「語る事ができる範囲」の様なものが異なっていた様に思います。
不登校になった頃の心模様はお伝えできたけれど、「キッカケがいじめであった」という事は、なんだかお話できなかったりとか。
家族とのエピソードを質問された際、いまいちオープンにでききれなかったりとか。
初めて体験発表をさせて頂いた翌日、体調を崩し布団から起き上がる事ができませんでした。
そんな経験もあってか、私にとって「語る事ができる範囲をコントロールする」という事は、「明日以降も元気でいるための、自分自身を守る術」だったのかも知れません。
以前、いつ、どなたのお言葉だったか、ふと「体験談を聴くという事は、その瞬間は役に立つけれど、結局は聴き手次第だ」と耳にした事があります。
そのお言葉の通りだとも思います。
ただ、聴いて下さるその時間、山口の拙い言葉に耳を傾けながら、めいっぱい、ご家族さんに思いを馳せて下さる。
一生懸命に向き合い、考えて下さる。未来に光がさす様な気がしてくる。少し、気が楽になる。…「話し手」からすれば、それだけでもう、充分だと思うのです。
「明日から、皆さんの笑顔が増えます様に。
少し、肩の力を抜いて頂ければ」…そんな思いで私は、拙い言葉たちをかき集めながら、いつも「体験談」を話しています。
自ら「自身の体験談」を振り返り、この様に文章を綴らせて頂くという経験は、今回が初めてです。
家族交流会当日を含め、とても貴重な機会をいただきました。本当にありがとうございます。
「不安や心配な事はたくさんあるけれど、とりあえず今は肩の力を抜いて、笑っていよう」…私の拙い体験談が、その様に思って頂ける機会となれば、幸いです。
